四柱推命「学」のホントのところ

従来の四柱推命にはなかった新視点の解説!「四柱推命コラム」

古来より伝承される定位の概念がかかえる問題

以下の説明を読み、すんなりと理解していただけるのは、私の講義に出席された方と新刊『基礎から最高峰を目指す四柱推命の本』の読者だけでしょうが、現状ではまだ少部数しか世の中に流通していませんので、読者の対象が少ないことを承知の上で、あえて、こうした形で情報を発信することにしました。

大運を捨て去るか、定位を捨て去るか。二者択一

定位とは、四柱八字中の位置には事象につながる意味があるという考え方です。位置は、年月日時の相違により判断されることになります。

年の干支は<根>。先天運。「上祖」、つまり、先祖の影響のよしあしを示す場所。

月の干支は<苗>。成長期。両親の影響のよしあしを示す場所であり、生家環境を示す。

日支は<花>。働き盛り。配偶者の影響のよしあしを示す場所。

時の干支は<実>。晩年。「子女」、つまり、子供の影響のよしあしを示す場所。

上記が古来よりの基本的な考え方で、年月を一括して両親の影響のよしあしを示す場所としているものなどがあり、人により書により多少異同がありますが、似たり寄ったりで大した差はありません。

自身の著作では、「四柱推命は生・剋・幇がすべて」「格局・冲・方局・干合・神殺・十二運・調候・用神などなどすべて不用」と宣言しているのですが、定位も不用なものとして捨て去りたいと常々考えています。しかし、完全に捨てきれずにいます。

定位という考え方には、年月日時に何らかの意味づけをしなくてはならないという形式的なこだわりが感じられるだけではなく、実証的にも無理が生じています。一番の問題点は、年月日時の順に時間経過が設定されていることです。定位のこの視点は、大運の視点と致命的に衝突します。この衝突は、定位か大運のどちらかに問題があることを示していると理解することができます。

そこで、「大運を捨て去るか、定位を捨て去るか」と問われたなら、「定位を捨て去る」と躊躇なく答えます。

定位の概念を捨て去れない理由

古来よりの定位に関する伝承については、ちょっと見方を変え、現在も使用しています。その際、古来より定位に含まれている時間経過の意味合いを徹底排除しています。その上で現在は、定位について以下のように考えています。

年干支は、生家環境に関する事象。

日支は、配偶に関する事象

月干支と時干支については、定位として無意味と考えています。これは実証的な経験が根拠となっています。また、支と表現していますが、支自体に意味はなく、重要であるのは蔵干です。

年干支は、生家環境に関する事象と述べましたが、この視点から、例えば財務大臣の麻生太郎氏の生家が豊かである事象の説明がつきます。ほかにも多くの実例はありますが、定位を捨て去れず、使用している一つの理由になっています。

しかし、講義などで述べていますように、年干支は、生家環境ではなく、両親からの遺伝的特性の優劣の視点と見たほうが、より実証的であり、科学的ではないかと考えています。と言いつつ、遺伝的特性と麻生太郎氏の生家が豊かであるという事象は、内容がかなりかけ離れていますから、実に悩ましい問題なのです。


詳しくは、『サクサクわかる 四柱推命の本』を参照してください。

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